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充分な『アップ』が生むもの・・・

ラグビーの試合前に行われるルーチンがある・・・『アップ』という。

試合前、ストレッチから始まりゆっくりとしたラン&パスなど・・・スピードと気力を、時間をかけて戦闘モードに仕上げていく作業手順のことだ。
最初はバックスとフォワードに別れ、だんだんと強さとスピードを上げて最後は本気でコンタクトして、お互いの調子を皮膚と筋肉を通して確認していく。
身体の当たり具合で調子がわかるから、試合中も、とっさの判断でカバーしたり、サポートしてもらったりが可能になる。
ポジション別の基本練習が終わると、合同で全体の動きの確認をする。凡ミスを防ぎ、パートナーとプレイを確認・浸透させていく時間だ。フォワード・バックス、いくつもあるお互いのサインプレイの確認が終わると、アップは完了しキックオフの笛を待つ。

『アップ』は、チーム全体で戦う精神を相互に絡ませあい高揚させていく過程だから、気を抜けないとても重要なプロセスだ。
キックオフのホイッスルを聞いた後は、試合終了のノーサイドのホイッスルが鳴るまで、勝利への意識は変わらない。『アップ』の時より高いレベルでコミュニケーションがなされた試合は、特殊な連帯感に満ちて格別な気分で終わる事が出来る。

はるか昔は、試合相手の情報量が少なかったから、個人プレイで意表をつくアタックが功を奏し、独走できることもあった。最近は、試合前に相互の情報が充分に分析・研究されてか、オフェンスが一次攻撃で突破できるチャンスは減じてきている。相手の強み、弱み、個々のプレイヤーの特性をチームで共有し対処することなしに、勝利はなくなった。
勝つ為には相手の次の動きを予測し、組織で認知力を高めることが必要だ。その意味で『アップ』は、試合前に体調確認と全体の状況を共有し、相互にフォローしあう言葉少ない儀式で、信頼感の創造という観点からもとても重要なのだ。
基本練習や入念なアップをしないチーム、けが人が多く出るチームに、勝利のチャンスはまず無い。スーパープレイヤー1人で勝利できる団体スポーツはないように、企業において一人でやれる仕事はない。
昔は、一人で出来ることの少なさを知りながら、見えないところで仕掛けを作りこんだり、作業をしてきたが、今は違う。機器もセンスも格段に『進化』して、情報収集や分析など『アップ』の仕方自体が変わってきているのだ。チームが、大きな仕事に取り組みミーティングをしている姿は、試合前の『アップ』を連想させ、しっかりした情報交換がなされていくようで、嬉しい光景のひとつだ。マーケットに打って出る前の『アップ』を大切にして、"チーム"の意図に基づき作戦を練り、精度の高い戦闘能力に向上してくれている事に感謝している。
充分な『アップ』が生み出すものは、勝利へのコダワリなのかも知れない。  

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中嶋光正(なかじま みつまさ)
プラス株式会社
常務取締役
ファニチャーカンパニープレジデント
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2010年5月28日 09:04に投稿されたエントリーのページです。

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